小笠原でイルカと泳いだ。
ドルフィン・スイミングといえるかどうかはわからないが、ミナミハンドウイルカと泳ぐことができた。
本来の目的はザトウクジラだったのだが、4時間に渡って小笠原父島周辺を探索しても発見できず。
代わりに、見つけたのが、ミナミハンドウイルカの15頭ほどの群れ。
どうせ無理であろうと思っていたドルフィン・スイミングが現実のものとなったのだ。
さて、どんな形でイルカと泳ぐのか。
まず、群れを見つけると、ボートが接近。海に入る前に、
1 船長の合図があるまでは、海に入ってはいけない
2 イルカの移動する方向を見極めること
3 イルカに触れてはいけない
などの注意事項が告げられる。
マスクやフィンをセットし、満を持して船長の指示を待つ。
イルカの群れの近くでエンジンを止め、「入っていいですよ」という合図と同時に海に入る。期待と緊張の一瞬。
そして、マスク越しに見る海中には、いるいる、イルカたち。
至近距離に彼らがいる。手を伸ばせば、触れることができる距離にいる。
第一印象はおだやかな表情をした生き物だなということ。
ただイルカたちは、われわれ4人を、嫌がるでもなく意識するでもなく、自然体で、移動していく。
海に入ってわかったのだが、イルカたちは浮上と潜行を繰り返しながら、波のように移動しているのだということ。
海面で見つけたイルカたちは、潜行して移動していく。われわれ人間は、約10メートルの深さの海底を行くイルカたちを見ながら、必死で後を追いかけることになる。
必死でフィンを動かしても、イルカに追いつけるわけではなく、振り切られた時点で、ボートにあがる。
そして、再び群れの移動先を見つけて、接近する。
そして、再びドルフィンスイミング。
これを繰り返すこと5~6度。
至近距離でイルカの表情をつぶさに見たことで満足感が広がる。もっとスノーケリングのスキルがあれば、子どものイルカが遊んでくれたのかもしれないが、われわれのスキルではあの程度。
それでも充実した時間。25時間半を費やして小笠原に行った甲斐があったというものだ。
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