何かを演奏することをやめてから20年。
最近、とある機会にギターを弾く機会があり、目覚めた。
私が弾くうろおぼえのバッハの断片を、ちゃんとバッハと認識してくれる人がいて、うれしかった。
「10年ぶりに弾いてそれならたいしたもんですよ。(やめたのは)もったいないなぁ」
お世辞とはいえうれしかった。
確かにそうだ。
ギターしか弾けなくて、それでも好きで弾いていたバッハ。
もう一度、ちゃんと再開してみようかと思った。
我が家のギターは壊れていた。糸巻きのグリップが壊れていた。会社のそばの楽器屋に行き、糸巻きを買ってきて交換した。(こういう時は、バイクのメンテのノウハウが役に立つ。)
なんとか弾ける。
ずっと保管していた楽譜を引っ張り出した。30年以上前に買った楽譜は保存していた。
我が家にあるバッハ全曲を網羅した「バッハ全集」からギターで演奏されているCDをピックアップし、パソコンに入れ、iTunesで聴いた。「うーん、これは悪くないな」と思った。
バッハ自身が無伴奏バイオリン組曲をリュート用に編曲したものが残されている。文献によると、編曲としては「手抜き」だと評されてはいるが、バッハ自身が編曲したという点で価値はある。BWV1006aがその曲だ。
聴いてみた。イェラン・セルシェルというギタリストが弾く11弦ギターという特殊な楽器で演奏されたものだが、これがなかなか悪くない。
バイオリンで演奏されたもののような極度な緊張感はないものの、原曲の味は損なわず、落ち着いた響きで悪くない。
挑戦してみるのも悪くないな、と思い、アマゾンで楽譜を手に入れた。
<続く>
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