雨がまとまって降ったのでひょっとすると「爆発」しているかと思い、近所の雑木林に出かけたのだが、空振り。テングタケ(あるいはテングタケダマシ)は出ていたのだが、思いのほかきのこは少なかった。
そんななか、もっともきのこらしいきのこだったのが、下の写真の個体。カワリハツかなと思ったが、他に収穫もないし、きちんと見ようと思って持ち帰った。
ベニタケ科の同定の場合、柄の色というのが外見上は重要なので、ちゃんと見る。
「あれ?」
カワリハツの柄は、白であることは間違いない。しかし、このきのこには柄の色と同じ紫色のかすり模様がある。家中の図鑑をチェックしたが、該当するものがない。
ベニタケ属でカワリハツ節であることは間違いないし、カシタケ、チギレハツタケなども候補にあがったが、どうも違う。標本が足りないという結論に達し、日を改めて、近所の出現場所を再度訪れる。
出現ポイントをチェックしても見つからない。しかし、シイの葉っぱをかき分けると、出てきたのが、上の写真のもの。
標本も増えたので、再検討。
プロセスは省略するが、現時点での結論はムラサキカスリタケ(Russula amoena)。弁当箱図鑑の写真がまったく印象が違ったので、はなから違うと思ったのだが、保育社の新菌類図鑑の記述では合っている。ウェブで検索すると、こちらのサイトの写真と非常に似ている。
はたして正しいかどうかはわからないが、ムラサキカスリタケで検索しても50件くらいしかヒットしないし、ひとつの候補としてアップしておこうと思う。
ひとつの種を調べるだけでもけっこうなエネルギーが必要。ホントは顕微鏡写真も撮る必要があるし、カット写真も、胞子紋もと思うのだが、もう疲れました。
いやはやきのこのお勉強は時間と手間がかかるもんだと再認識(笑)。
確かにあの図鑑の図版ではブドウ色でヒダも同色で縁取りされていましたしね。
web上の写真はmidoさんの標本に近い物が多く見つかります。
http://www.pilzepilze.de/piga/zeige.htm?name=russula_amoena
http://micologia.net/g3/Russula-amoena/Russula_amoena
Posted by: ぽっとべりぃ | 06/17/2007 at 23:56
記事を読んでいて、久しくまじめに調べたことがないのに気が付きました。とくにベニタケ類は。
僕もいろいろなサイトをざっと見てみましたが、とりあえず、midoさんたちの見立てに賛成。英語以外のサイトにもおもしろいのがあることが発見できて新鮮でした。でも読めないからだめか。。
Posted by: もせて | 06/18/2007 at 20:50
>ぽっとべりぃさん、もせてさん
貧弱なフィールドでもいろいろ発見はあるということで。ホントはもっとドカンとしたのが見たいんですけどね(笑)。
Posted by: mido@管理人 | 06/19/2007 at 01:05