とある所で不思議なきのこを食べた。お店の人の話では、「モミジタケというサルノコシカケの仲間に近い種で中国産」ということであった。色は真っ黒。一見不気味に見えるが、しっかりとした歯ごたえがあり、きのこの旨味と香りもきちんとありおいしかった。
モミジタケといわれて私はピンと来なかったが、「日本のきのこ」、最新の図鑑「北海道のキノコ」(北海道新聞社)にも、写真が掲載されている。イボタケ科・イボタケ属。学名は、Thelephora palmata」とあるのだが、食べたのはモミジタケではないという。果たして、その正体は何なのか? 調べてみた。
手持ちの中国のきのこ図鑑「中国大型真菌」に掲載されているこの属(イボタケ属)は6種。そのうち、T. aurantiotincta と T.ganbajunには、食菌マークがついている。そのどちらかだろうと目星をつけた。
aurantiotinctaには和名があった。ボタンイボタケという。日本の図鑑(北陸のきのこ)では「不食、漢方薬臭」とあるが、この中国図鑑には「可食用、有香味」とある。
さて、問題はT.ganbajunのほうである。中国図鑑の解説を拾い読むと、「是雲南著名的野生食菌之一」とある。どうやら名菌のようである。
2000年発行の「dancyu」11月号「きのこに惚れた」(笑)特集に答があった。きのこの名前は、学名どおり、ガンバージュン。雲南で食される野生の食用菌200種のなかでもとくに珍重されるという。漢字では、乾巴菌と書いてあった。前述の図鑑では干巴革菌。
うまいはずである。
日本の図鑑では「不食」「食用不適」のひとことで済まされているこの仲間が、中国の一部地域では珍重されていることがわかってきた。
タマゴタケに代表されるように、西欧文化の流入で食べられるようになったきのこは数ある。
それと同じことが、中国文化の流入で起きる、か・も・し・れ・な・い。
おひさしぶりです。季節営業再開ですね(^^)。
料理のしかた次第でおいしく食べられるきのこはたくさんあるってことでしょうか。
きのうテレビでアンタッチャブルの二人がハナイグチを大層不気味がっていて、きのこ鍋にして食べてみたら大満足、っていうのをやっていました。
シーズンですなぁ。
Posted by: 110 | 10/13/2006 at 06:10
54Pのきのこですね。
一度、食してみたいものです(^^ゞ
しかし、このdancyuの11月号はキノコ好きには永久保存版かもしれませんね(^_^)b
Posted by: HOPE | 10/13/2006 at 06:50
>110さん
ご無沙汰で〜す。営業再開したのですが、じつは季節はもうほとんど後半戦。バタバタしており、気力がありませんでした。
来年はがんばります(笑)。
>HOPEさん
コメント、ありがとうございます。はい、54ページですね(笑)。
ガンバージュンで検索したら、1件しかヒットしなかったので、書いたようなエントリーです。 蜂蜜で煮たので甘かったのか、きのこ本来が甘かったかのか、そのあたりが不明です。
Posted by: mido@管理人 | 10/14/2006 at 00:33
復活、お待ちしておりました。
伊那谷でパワー充電された結果かな?
ぼくも54ページをチェックしました。(^_^)
ボタンイボタケは今まで見向きもしていませんでしたが、挑戦意欲がムラムラと。。
Posted by: もせて | 10/15/2006 at 09:49
>もせてさん
ボタンイボタケの試食レポート、楽しみにしております。
ガンバージュンは、蜂蜜で煮て、甘く味付けしてあったようですが、詳細は不明です。
「雲南 食と文化」(東方書店刊)には、辣子乾巴菌(ラーツカンパーチュン)という料理が掲載されていました。乾巴菌と唐辛子の炒めた料理で、ガンバージュンは香りが出るまで炒めるのがポイントであると掲載されていました。ディープなお話ですみません(笑)。
Posted by: mido@管理人 | 10/17/2006 at 00:22