東京・神保町の古本まつりで手に入れたのが、この図鑑。
保育社の「原色日本菌類図鑑」(今関・本郷共著)。昭和32年発行の初版本。カバー、ケース、おまけに付録のリーフレットまでついていた。本郷次雄氏がこのリーフレットのなかで、「研究歴は8年、やっと序の口を過ぎた程度であるのに、世間からキノコをしっているものの一人に数えられるので大変困っている」と書いていて、隔世の感。
それにしても、この本、安過ぎ。
税込み800円は安過ぎちゃう? 48年前でも1200円した本ですよ。
いくら情報が古くて(イグチなどは、毒菌なしと書いてある)使えないとしても、日本のきのこ研究においては、非常に重要な歴史的な書物でしょう。イラストだって「新」よりレベルが高いと思う。下の図のきのこについている黒いゴミのようなもの。それはゴミではないです。標本についていた土をちゃんと描写しているんです。こんなところにも熱を感じます。
そんな歴史的な1冊が、カバー、ケースまでついて、800円は安過ぎです。
と、お値打ちに購入したにもかかわらず、ヘンな憤り方をしている私でした。
そういえば、同じ保育社のシダ図鑑が5000円で出ていたけど、買っておくべきだったのかな。イラストはとっても素晴らしかった。たぶん絶版ものなんだろうな。
安いっすねー
私は小学校6年の頃に手に入れたのですが、小遣いで買えなくて田舎のおばあちゃんに買ってもらいました。正・続セットで。
図鑑本体もさることながら、付属の小冊子に本郷先生の随筆が載っていて滋賀・石山の本郷先生の実家のマツタケ山でのコンイロイッポンシメジとの遭遇や、大学内でのきのこ話など、わくわくしながら読んだものです。このときキノコが私の脳にインプリントされたのかもしれません。
Posted by: ぽっとべりぃ | 11/02/2005 at 01:13
ぽっとべりぃさん、コメント、ありがとうございます。
小学六年生ののときに、きのこに目覚めていたとはびっくりです。
この図鑑、尻切れとんぼの印象で、アミガサタケなどは、絵もなく、説明も5行ほどしか書かれていません。なるほど、これの続編があるわけですね。それでは、今度は続編を手にいれなければ(笑)。
Posted by: mido@管理人 | 11/02/2005 at 23:43