町内のきのこ観察でも、謎のきのこは登場する。
今回、見つけた謎のきのこが上の写真の個体だ。
大きな個体で傘径3センチ。小さいものでは1センチ以下。大きな特徴として、傘の窪みが中空の柄に通じていること。上からのぞくと、地面が見えてしまうのである。
いちばん似ているきのことしては、トキイロラッパタケと見た。トキイロラッパタケには、白色タイプがあり、それかなと思った。
しかし、「しわひだ」がシャープ過ぎるのだ。アンズタケ科と考えたが、どこか違う。
「しわひだ」と見えるものの形状に関しては、キシメジ科ヒメカバイロタケがもっとも似ている。
しかし、ヒメカバイロタケは、主に針葉樹の材上に発生するきのこである。写真のきのこは、シイ・カシ林の明らかに地上に出ていた。
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。
いったいどうなっているのか。
それぞれの属名で、海外サイトも含めて検索しまくった。白いアンズタケというのもあるのだが、色は違っても、アンズタケはアンズタケである。はっきりと違う。
そうこうしているうちに見つかったのが、下記のサイトである。
http://nadeshiko.sakura.ne.jp/ ̄shinji-t/GALLERY/G-yukirappatake.htm
「ドキっときのこ」さんのサイトにあった1ページ。
新種発表されたばかりのようで、中央の空洞は根元まで続いているという、顕著な特徴も同じ。
種名はユキラッパタケ。キシメジ科・カヤタケ属。
シロラッパタケでもよかったのだろうが、それだと別科のクロラッパタケと混同される。「シロ」ではなく、「ユキ」とされたところに、命名者の苦労が偲ばれる。
学名は、Clitocybe trogioides Corner var. odorifera Har.Takahashi
この学名でヒットした海外のサイトは下記のBritish Mycological Societyのみ。
http://www.britmycolsoc.org.uk/files/BMS-ABS6.pdf
(こんなサイトがあるんだ)
種名がわからず、もやもやした感覚が一気に晴れた気分である。
記述にあるように、新種発表されたばかりなのに、このきのこは増えているらしいのが、不思議。
身近なところで見つけた、小さな発見は、ちょっとうれしい。
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