会社を休んで富士山に行ってきた。針葉樹中心の植生ポイントの新たな開発が目的である。
まずは林道を登る。ここかしこに同好の士が見られる。クルマをゆっくりと走らせ、窓を開けて声をかける。
「狙いは何ですか〜?」
「アシナガだよ〜」
アシナガ??
何だろう? 30代に見えたのに地方名かと思いつつクルマをさらに進ませる。
分岐で地図を確認しながらチェックしていると、70代後半と思われる翁、その妻、ご子息と思われる3人連れがやってきた。早速、カゴの中をのぞかせていただく。
中身はほとんどハナイグチである。1本、ぬめった黄色のきのこが入っていた。
「これ、何ですかねぇ?」
「キヌメリガサだと思うよ。ここらじゃコンキタケ(根気茸)というわさ」
普通に見るキヌメリガサの倍の太さの柄、全体が強いぬめりにおおわれる。
ヒダを見ながら
「たしかに、ヌメリガサ科のヒダですねぇ」などとつぶやくと、
「あんた、きのこオタクか?」と翁にいわれた。
それにしても、最近は、人のカゴの中をのぞかせてもらうのがおもしろい。これまでに断られたことはないし、何よりわかりやすいきのこばかりでうれしい。
中のきのこをダシに、しばしのきのこ談義。こうしたしばしの会話のなかで、アシナガの正体がナラタケであることなど、いろんなことを教えてもらえる。
何グループかの同好の士のカゴの中身をチェックした結果、収穫はハナイグチ、アカモミタケ、ナラタケなどなど。私のターゲットではないので、ルートを変更することにした。
結論を申せば、収穫はイマイチ。富士山も標高の高い所はほとんど終盤かなという印象(私の経験では)。行くならもう少し標高を下げるべきだろう。
収穫はイマイチだったが、今回も発見があった。上の写真は、以前にアップした赤いきのこ「アカヤマタケ」の仲間の黄色い種、トガリツキミタケ。前種とセットということでアップ。イボタケ科のマツバハリタケと思われる種も採集。調べてみると、人によってはコウタケを超える風味として珍重するそうである。写真を撮ったが、手ブレでアップに耐えない。路傍にあったカバイロオオホウライタケもオレンジ色のきれいなきのこであった。下の写真は、不明のイグチ。カラフルなのでアップしておこう。
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